内分泌(甲状腺)内科
内分泌内科について
内分泌内科は、ホルモンの異常でおこるさまざまな疾患を対象とします。ホルモンとは、生体内のさまざまな機能(恒常性の維持、成長、発達、生殖、エネルギー代謝、行動など)をコントロールするための情報伝達物質とされ、ホルモンの異常が起こると身体に様々な症状を起こします。体内でホルモンの関係しない臓器はないと考えられ、ホルモンを産生する臓器は、視床下部、下垂体、甲状腺、副甲状腺、心臓・血管、消化管、膵臓、副腎、性腺(卵巣、精巣)、脂肪、神経などです。現在、体の中には100種類以上のホルモンまたはホルモン様物質がみつかっています。一般的には、ホルモンの量が多いと機能亢進状態、ホルモンの量が少ないと機能低下状態となります。
甲状腺疾患
甲状腺とは、首の前面、男性でいうと喉仏(のどぼとけ)の下にある蝶のような形をした臓器です。甲状腺は重さ10-20gと小さく柔らかいため、腫れているときや硬くなった場合を除き、外から触ってもわからないことがほとんどです。甲状腺ホルモンは、胎児・小児期は成長・発達の促進、成人期では代謝を活発化するといった重要な働きがあります。
甲状腺ホルモンの異常でみられる症状
甲状腺ホルモンの過剰による症状(甲状腺中毒症といわれます)と甲状腺ホルモンの不足(甲状腺機能低下)による症状は、相反するものがありますが、どちらの状態でも見られる症状もあります。
| 甲状腺中毒(機能亢進)でみられる症状 | 甲状腺機能低下でみられる症状 | |
|---|---|---|
| 脈が速くなる | ⇔ | 脈が遅くなる |
| 手足が震える | ⇔ | 筋力の低下 |
| 暑がり、汗をかきやすくなる | ⇔ | 寒がり、冷え性になる |
| 体重が減る | ⇔ | 体重が増える |
| 下痢、軟便 | ⇔ | 便秘 |
| 夜間眠れない | ⇔ | 昼間の眠気 |
| 共通してみられる症状 | ||
|---|---|---|
| だるさ、倦怠感、疲れやすい、むくみ、甲状腺がはれる・大きくなる、髪の毛が抜ける |
甲状腺中毒(機能亢進)を起こす疾患
バセドウ病
甲状腺ホルモンの分泌を促すホルモンである甲状腺刺激ホルモンの受容体に対する自己抗体(TRAb)により、甲状腺ホルモンが過剰に産生されてしまう自己免疫疾患です。自己免疫疾患とは、病気や感染から体を守る役割の免疫系が、本来の働きをせずに自分の体の一部を異物と認識して攻撃してしまう病気です。日本での患者数は、10~14万人ほどと推定されていますので、約1000人に1人程度と考えられます。男女比は1:4で女性に多く、20~30歳代での発症が多いですが、70~80歳代で発症される方も増えてきております。
バセドウ病の症状
ページ上部でお伝えした甲状腺中毒(機能亢進)でみられる症状に加えて、甲状腺の腫大、眼症状、皮膚症状、男性では電解質の異常(カリウムの低下)により手足の筋力が低下する周期性四肢麻痺という状態もしばしば認められます。
また、眼に関しては、眼球が通常よりとびだしている眼球突出、眼球を動かす際に違和感を感じるなどの症状を認めます。
バセドウ病の診断
症状に加えて、血液検査、甲状腺の超音波検査を行い診断します。超音波検査、血液検査、症状から、ある程度の診断はできますが、後述する亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎でも一過性に甲状腺中毒を起こすことがあるため、確定的な診断のためには、シンチグラフィーという検査を行う必要があります。
バセドウ病の治療
薬物療法として、甲状腺の働きを抑える薬であるチアマゾール(メルカゾール®)、プロピルチオウラシル(プロパジール®)を使用します。いくつかの副作用に注意が必要です。
